忘れないうちに旬の話題について書いておこう。
本記事では、主軸のストーリーについては一切触れないが、
話の設定について述べるので、設定のネタバレについて気にする方は注意されたい。
さて、『思い出のマーニー』であるが、映画としてとても面白かった。
複雑な家庭環境のせいで心を閉ざしている少女が、不思議な洋館で謎の少女マーニーに出会い、心を開いていく物語。
風景(自然)がとても綺麗に描かれていて、少女たちの仕草も可愛く、マーニーを取り巻く幻想的な雰囲気がとても良かった。
と、総評めいた感想はここまでにして、この映画に関する個人的な感傷について語ろう。
上述の、「主人公の複雑な家庭環境」であるが、
一言で言うと「幼いころに実の親子に捨てられた」ということである。
主人公は子供の頃からそれを知っており、義理の母親と問題なく暮らしていたが、
ある日、義理の母親が養育費として国から現金を受け取っていることを知ってしまう。
「私はやはり普通の子とは違うんだ」
ということを思い悩み、心を閉ざしてしまったのだ。
僕はこの話を聞いて、主人公の気持ちは多少は分かるけれど、
「むしろお金を受け取っていたほうが、子供としては心が楽なのではないか?」
と思った。
何故なら、お金を受け取っていないのであれば、自分に対する養育は全て"善意"によるものな訳だ。
もし僕はそういう立場の子供だったら、その多大なる善意に対し、罪悪感を抱くと思う。
無償で育ててくれるなんて、申し訳ない。
しかし、養育費を国から貰っているのならば話は別だ。
その現金が欲しくて育ててくれているとまでは言わないが、
少なくとも僕がこの家に居ていい理由にはなる。罪悪感は軽減される。
だから、僕が養子だったら、むしろ国からお金を受け取ったほうが気が楽だと思う。
ただ、僕のような意見は劇中では一切言及されず、おそらく一般的な意見ではないんだな、ということは理解した。