どうにか、ほんの少しだけ気分が落ち着いてきたので日記を書きます。
先日、尊敬する推理作家・綾辻行人先生のサイン会+トークショーに行ってきました。
会場は、池袋のジュンク堂という本屋です。
綾辻先生は、最も尊敬している大作家の先生であり、また僕はこのようなイベントに参加するのは初めてだったため、最初から最後までずっと緊張しっぱなしでした。
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まず、会場に登場した先生の第一声が、流石でした。
「今日は台風が近づいている中、参加いただき本当にありがとうございます。『嵐の中のジュンク堂』……何か起きそうですね」
これを聞いただけで、僕の心はもう、とろけてしまいました。
いついかなる時もミステリのことを考えていらっしゃる。
これだ、と。これこそが綾辻行人先生。
この人の本に出会えて、この人のファンで居られてとても幸せだな、と思いました。
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質問コーナーでは、僕は手を挙げて質問させていただきました。
そこで、「自分は推理作家志望なのですがー…」と言って質問させていただきました。
その質問内容+解答内容は控えますが、
先生は「年齢はいくつですか?」「どこの賞に出すのですか?」と興味を持ってくださって、
「頑張ってくださいね」と声をかけてくださいました。
そしてその後にも、
「僕のデビュー作は、乱歩賞に落選した物なんです。それを編集の方が拾ってくれたんですね。僕の例がありますから、今のミステリ業界は、ちゃんと面白いものを書けば誰かが読んでくれると思いますよ。あ、こんな言い方をしたらプレッシャーかな? ごめんなさいね。応援しています」
と言って仰ってくださいました。
僕はもう、嬉しくて、泣きそうになりました。
その発言内容もさることながら、その物言いの優しさにしびれてしまったのです。
作家志望の人に励ましの言葉をかけ、しかも「プレッシャーをかけてしまったらごめんなさいね」と心配りもしてくださる。
僕はこういう、(ある意味で一般的な作家像とは異なる)綾辻先生の優しさが大好きです。
もちろん作品が好きでファンになったのですが、先生自身も、とても魅力的な方でした。
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最後にサインをして頂くときに、先生にひとつお願いごとをしました。
「僕がミステリ作家としてデビューした暁には、先生に献本を差し上げますので、良かったら読んでいただけませんか?」
すると先生は、
「デビューした後の話ですか? はい、それはもちろんお読みしますよ。お名前を覚えておきましょう」
と笑いながら仰ってくださいました。
嬉しくて嬉しくて、その場で融解してしまうような心地でした。
そういう訳で、僕は綾辻先生に読んで頂くためにも、たくさんたくさん小説を書いて、新人賞を取りにいきます。
僕も、綾辻先生のような偉大な小説家になりたいです。