今日は、「映画や小説をどのような視点で評価するか?」という話をしたい。
まず具体例だが、今日は『パシフィック・リム』という映画を見た。
僕は「こいつは面白いぜ!」と思ったのだが、
ネットの評判は賛否両論で、読んでみると「確かにな」と思うこともあった。
ネットレビューの主な内容としては以下のとおり。
・巨大ロボットと怪獣が街中でボカスカ殴り合いをするのが楽しかった
・そんな内容を、ハリウッド映画がやってくれたのが凄い
・ストーリーが陳腐で穴だらけ。人間関係の描写も薄すぎ
これらには完全に同意する。
でも、僕は「ストーリーが陳腐で穴だらけ」であることは見ているうちは気にならなかった。
しかし、見終わってから実際に思い返してみると、確かにストーリーはかなり陳腐なものだったと思う。
視聴時にそれが気にならなかったのは、「ストーリーを楽しむ頭のスイッチが入ってなかったから」「話のテンポが異常に早いから気にならなかったから」だと思う。
でも、気になる人は気になるだろうし、批判意見も一理あると考えている。
以上が『パシフィック・リム』に対する僕の意見(立場)だ。
ここから先は、映画批評そのものについて。
まず、批評に対して
「怪獣映画なんだからストーリーなんて気にする奴は間違ってる」
という意見があるが、僕はそれには賛同しない。
どんな視点から映画を見ようと自由だからだ。
確かに「ストーリーが駄目だからこの映画は駄作。語る価値なし」は言いすぎだ。
しかし「怪獣映画なんだからストーリー部分は評価対象にしてはいけない」も言いすぎである。
あらゆる人に公開している時点で、あらゆる評価指標を受け入れるべきだと思う。
極論を言えば、ディズニー映画に「リアリティが無い」という意見をしてもいい。
ヒューマン映画に「アクション部分がないから退屈だ」という意見をしてもいいだろう。
大切なのは、そこから言えるのは
「だからこの映画は自分に合わなかった」ということだけで、
「この映画が、映画として駄作かどうか」ではないということだ。
僕はそう考えているから、映画に点数をつける行為があまり好きではない。
評価指標は無限にあるだろうし、それらを完全に客観的に評価して総合点をつけるなど不可能だと思うからだ。
映像、音楽、ストーリー、アクション、リアリティ、キャラクター、展開の早さ、教訓の有無、娯楽性、などなど、評価指標はいくらでもある。
一般的に「名作」と言われる映画は、これら全てが水準以上の作品であることが多い。
そして、『パシフィック・リム』のようなそうでない映画もある。
パラメーターが尖っていて、一部の視聴者には受ける、という作品だ。
この2つに優劣は無い。
ただ言えるのは、視聴者としては、評価の指標をたくさん持っていた方が有意義だろう、ということだ。
つまらない映画はいくらでもあるが、
「でもここは良かったな」と考えられるようになれば幸せだ。
作品の面白さは、自分で探していったほうが得だとも言える。
まだ書きたいことはあるが続きはまた今度。
最近は暗い日記ばかりになっていたので、今日は少し嬉しい。
珍しく気分が良い理由は不明。再現性を追求したい。