アルバイトの話をしよう。
というのは、今日は欠勤の人の代打ち(?)があり、10時から18時までアルバイト先で働いたからだ。
こんなに長時間立ち仕事をしたのは初めてだ。
できれば最後であってほしい。
僕は24歳の大学院生だが、本格的にバイトをしたのは今回(今年5月から)が初めてである。
なぜ今までしなかったのか、なぜ今始めたのかは、
話すと長くなるのでまた今度にしよう。
今回はそういうことではなく、アルバイト店員という立場について感じたことを書いてみたい。
というのは、「アルバイト店員」という存在の、「軽さ」についてである。
僕のバイト先は、個人経営のイタリアンレストランの厨房だ。
皿洗いが中心で、朝に野菜やソースの仕込みをしたり、混雑時には料理を作ったりもする。
覚えることはそれなりにあるが、頭はほとんど使わない単純労働と言っていい。
つまり、誰でもできる仕事だ。
僕は週2.3日バイトに入っている。
そして、僕は来年の4月からは会社員になるので、3月までという契約だ。
つまり、大雑把に言って100日くらいしか働かない。
それに当然、バイトというのはいつ解雇になっても不思議ではない存在だ。
また、逆に、いつ辞めても良い存在だとも言える。
その証拠に、社員は僕に
「最初の数日で合わないなーと思ったら電話でそう言ってくれていい。当日ばっくれるのだけはやめてくれ」
と言った。
僕は、前日までに連絡してくれれば居ても居なくてもいい存在なのである。
これらの扱いを一言で言うと、「期待されていない」という事だ。
まあ、内容スカスカの履歴書一枚で通ったのだから当たり前といえば当たり前だ。
しかし、恥ずかしながら、僕は今までこんなに軽い扱いをされたことがなかった。
高校までは生徒という守られた存在だったし、
大学や研究室では「結果を出せ」と言われた。勉強して、ゼミ生として成果を出すことが期待された。
つまり僕には責任があった。
良くも悪くも、丁重に扱われていたのである。
翻って、バイト店員はそういう立場ではない。
別にそれが悲しいのではない。
戸惑っているのだ。
何も期待されていない以上、ぼくも店に期待してはいけないのだろう。
僕は家でバイト内容の予習復習をしない。
僕は店の体制や教え方に意義を唱えない。
店に対する改善案があっても、口には出さない。
これらはバイトとしては当たり前の事だろう。
しかし僕にとっては、こんな境遇は初体験だった。
頭では理解していても、実際そうなってみると、足がブラブラするジェットコースターのような変な気分である。
バイトと店の関係性はなかなか難しい。
この不思議な距離感を味わえただけでも、バイトを始めた価値はあったのかもしれない。
明日にでも辞めたいけど。
※余談だが、先日店員(中年男性)から、
僕と個人的な関わりを持たんとする言動をされ、非常に驚いた。
だから、実際には、上に書いたほどドライな関係性ではないのかもしれない。
それについても、また今度書こう。