「人生に問題がありすぎて気分が晴れない」
という状態で、試行錯誤していたけれど、ここ数日ついに光明が見えてきたのでメモ。
長くなりそうなので結論から書こう。
人生の選択において、満足ではない結論を下して、「これでいいはずだ」と自分を納得させる事もあるだろう。
しかし僕の場合、その時に抱いた『心残り』は十年経っても消えることはなく、むしろ増大していた。
そういう時に、「そもそも自分が下したかった結論が何なのか」もよく分からなくなる場合もある。
だから、「何故か気分が晴れない」時は、
あらためて色々なものを見て、色々な可能性を考えて、「こうしてみたらどうか」を1個づつ想像してみて欲しい。
その中で、心が軽くなる想像があれば、その実現に向けて少し動き出してみてほしい。
(この際、後戻りが出来るように、今の生活も捨てないことが重要)
上手く行かなければ、戻ればいい。そしてまた別のものを探す。
そうしている内に、当初とは全く異なる方向で解決策が見つかり、
「ああ、本当はこれがしたかったんだ」
と気付くかもしれない。
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以下、個人的で具体的な、蛇足の話。
最近の僕は、今後の人生を考えると、色々と問題が有りすぎてつらかった。
簡単に列挙すると
・興味のない技術系の仕事
→技術系は工場に言って作業(装置製作とか)をすることが多い
・多忙
→残業100時間くらい
・転勤族
→結婚等しても幸福に成るビジョンが見えない。趣味の演劇鑑賞等が難しい。
といった問題があった。
しかし現状にも良い点はあり、
・給料がそこそこは貰える点
・大学の専攻(理工学部)を活かした仕事であり、一般的なレールからは外れてない
・潰れない会社
といった点は現在享受している。
つまり、当たり前だが、いろいろな要素を天秤にかけていた訳だ。
しかし最近は本当に心が沈んで、数ヶ月前から、本気で何かを変えることを考えだした。
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さて、まず「残業の多さ」が問題だと考えた僕は、転職を考え始めた。
しかし、また民間のメーカーに勤めたのでは、残業が減る見込みもないし、「興味のない仕事」「転勤族」といった問題も解決しない。
そこで目をつけたのが技術系公務員(いわゆる理系の公務員)だ。
技術系公務員は、簡単に言うとダムやゴミ処理場の整備や管理などを行う仕事*1なのだが、
地方公務員を目指せば、とりあえず転勤はなくなる。
また調べた限り残業時間も少なそうで、0~50時間ほどのようだった。
しかしやはり問題点もいくつかある。
・自分にとってあまり興味のない仕事
・交代勤務になれば夜勤・土日出勤もありえる
・年収は下がる
しかし僕は、これらのデメリットは許容しようと考えた。
「何でも思い通りにいく仕事なんてない。多少の我慢は必要だ。今よりは良いじゃないか」
そう考えることで、自分を納得させようとした。
そのはずだけれど、何故か僕の気持ちは晴れなかった。
技術系公務員について調べて、良い点を必死に捉えようとしたが、どうにも落ち込んでしまう。
「努力が足りないのかな」「本でも読んで気分転換しよう」とか色々と試したけれど効果は薄い。
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そこで、考えを変えることにした。
今までは我慢することにしていた、「興味のない仕事」という要素を、我慢しないことにした。
具体的には、事務系公務員を目指すことを考えだしたのだ。
そもそもなぜ僕がメーカーの研究開発職をやっているかというと、
大学受験で何となく(「就職が良さそうだから」という理由で)選んだからだ。
工学自体はそこそこ面白いけれど、モノづくりは嫌いだし、機械をいじるのは本当に苦手だ(だから仕事が辛い)。
だが、機械系専攻で大学院を出た身としては、技術系以外の仕事に就くのは怖い。怖いというか、「もったいない」という気持ちが大きい。
当然だ。僕が理系を選択したのは十年ほど前のことで、それから大学受験、大学での専攻、院での研究を行ってきたのだ。それらをフイにすることは容易ではない。
それに、やはり収入とか、社会的ステータスの面もある。
このまま機械系で進むことが「安牌」なのである。
しかし、あまりにも気分が沈んでいるので、技術系を捨てることを考えた。
具体的には「事務系公務員」(要するに文系の一般的な公務員)を目指すことを考え始めたのだ。
事務系公務員に転職することのメリットは、
・今よりも興味のある仕事ができる
(直接人の役に立つ仕事、かつデスクワークがしたい)
・転勤がない(地方公務員)
・残業がそこまで多くない
・潰れない
がある。
逆にデメリットも大きく、
・年収が下がる
・今までの十年間の勉強が無駄になる
・そもそも試験勉強が大変(社会系の基礎知識がほとんど無い)
といった点が挙げられる。
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上記を客観的に見てみると、
僕の状況で事務系公務員を目指すことの優位性はあまり無い。
ほぼ無い、と言ってもいいかもしれない。
しかし「やりたい仕事ができる」という大きなメリットがあるのも事実である。
そこで、具体的に事務系公務員について調べだし、勉強を始めてみた。
すると驚くことに、久しぶりに(本当に久しぶりに)心が軽くなってきたのだ。
勉強内容自体も結構面白いし、明るい目標に向かって作業しているのが楽しい。
そのような感傷を踏まえて、今までの僕の憂鬱な気分は、他の何よりも「仕事内容」に大きく左右されていることに気付いた。
要するに僕は今まで、
「興味のない技術系の開発職に携わっていること」
が憂鬱だったのに、そのことから目を背けて、
「趣味に没頭する」「美味しいものを探す」「睡眠時間を調整する」
なんてことをしていた訳だ。
問題の本質はどこにあるのか、自分でも分かっていなかった。
こういう事って結構あるのだと思う。
ありきたりなことを言うけれど、
「やはり人生は色々なことをして、色々な可能性を考えてみなければならないのだ」
ということを感じた。
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さて、そういうわけで柄にもなく政治経済なんかの勉強をしている。
センター試験以来だから8年ぶりだし、本格的な内容を勉強するのは初めてだ。
果たして、この選択が正しいのか。それは正直分からない。
この記事を読んで「研究開発職を捨てて公務員を目指すなんて馬鹿だ」と思う人が大半だろう。
そうなのかもしれない。
僕の今までの機械系としてのキャリアは、技術系の仕事が好きな人にとっては、有用なものなのだと思う。
しかし、技術系の仕事が向いていない人にとっては、非常に重い埋没費用(サンクコスト)でしかない。
そして、仮に世間の人が言うように研究開発職を続けたとしても、誰も責任はとってくれない。
実際、どの選択が正しいかなんて死んでも分からない。
大事なのは、自分の選択に自分で責任をとることだろう。
僕が機械系に進んだのは、(高校時代の)親の薦めという点がかなり大きいのだけれど、
僕だってもう良い大人な訳だし、親の人生を歩むのは辞めようと思う。
「自分で選んだのだから悔いはない」
そう言い切れることが何より重要なのだと思う。
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長々と書いたが、僕の人生は、先のことはまだ何も分からない。
事務系公務員になっても憂鬱な人生は変わらないかもしれない。
そもそも、今受けようとしている公務員試験は、(今の僕にとって)かなり難しく、受かるかどうかもまだ分からない。*2
もちろん、試験に落ちた場合のことも考えている。
(当然今の仕事も辞めていない。生きていく以上、背水の陣で望むわけにはいかない)
もっと言ってしまえば、事務系公務員を目指す気持ちがいつ途絶えるのかも分からない。
でも、それでも良いと思っている。
とりあえず僕は今、"今の自分が"正しいと思っていることをやろうとしている。
それだけで心が少し軽くなる。逆に言えば、それしか方法はないのかもしれない。
結果僕がどうなるかは分からないけれど、
まあ、うまくいかなかったら、僕のことを嗤ってやってください。