kenpi20の灰色マインドマップ日記

にわか作家志望(某メーカー研究職、新入社員)による、現状把握・思考整理

【嘘日記】 母親と和解した


精神科に入院していた母親が帰宅した。

 

母親は目に涙を貯め、深々と頭を下げて

「今まで本当にごめんなさい」

と言った。

 

彼女の口から謝罪の言葉を聞くのは初めてだった。

僕はその一言で、過去のことを全て忘れることが出来た。


退院した当初の母親は、まるで幼子のように戸惑っていたが、すぐに元の生活に慣れていった。

生活が安定してきた頃、母はカメラに興味を持ち始めた。

以前から花の写真を撮るのが好きだったが、より拘りを持ち始めたらしく、一眼レフを買ってきたのだ。

週末ごとに、何処かに出掛けて写真を撮るようになった。出先で友人も出来たらしい。

来月には、その友達と泊まりで旅行に行くという話を聞いた。

 


母が入院している間、父はカウンセリングを受けていた。

当初は「息子に言われてカウンセリングを受けているだけ」というスタンスだったが、

数週間経つうちに、僕に「お前から見て我が家はどうだったか」などと問うてくるようになった。

 

ある日、帰宅した父は涙を流していた。ぎょっとした。

父は居間でばかりと倒れ、「全部俺が悪かった。俺が何も考えていなかったばかりに……」と泣き崩れた。どうやら酒を飲んできたらしい。

 

次の朝には何事もなかったかのように出社していったが、その日を境に、父の態度は明らかに変化していった。

 

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母は些細な事でよく笑うようになった。

鼻歌を歌うことすらあった。

 

父もよく喋るようになった。

テレビ番組の話とか、食べ物の話ばかりだったが、父がどういう人間なのか知ることが出来たので新鮮だった。

 

二人はたまに喧嘩をした。が、すぐに仲直りをした。

最後にはいつもどちらかが謝って終わった。謝る頻度は半々くらいだった。

 

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話は変わるが、三年ほど付き合っている恋人と、結婚の話題がよく出るようになった。

僕はまだ入社1年目だから今すぐ結婚という訳にはいかないが、まあ数年経って仕事が落ち着いてきたらかな、と漠然と考えている。


両親に恋人の話は既にしており、何度か会ってもいる。

母は「娘が出来たみたいで嬉しい」などとババくさいことを言っていた。

父は、「お前が連れてきた相手なら信頼できるだろう」などと言って、あまり話さなかった。要するに照れくさいのだろう。

 


今後子供を作るかどうかについてはまだ考えていないが、どうやら彼女は産みたがっているようだ。

まあひとまずは、結婚して、お金を貯めて、だ。

やることはたくさんある。

 

恋人との話の中で、二人の目標がひとつできた。

子供が出来ても、仲の良い夫婦でいることだ。

そして子供に「自分も結婚したい」と思わせること。

それが当面の目標である。