kenpi20の灰色マインドマップ日記

都内で暮らす会社員のライフログ、現状把握、自己分析

【日記】 人生と機械制御における「回顧的な学習」の類似点

 

ふと思い出したこと。

 

一昨日書いた

「人間は回顧的にしか学習できない」

という言葉は、大学の『映像史』か何かの授業で聞きかじった言葉だ。*1

 

その授業は一般教養科目で、つまり専門外の科目だった。

平たく言えば、「理工学生が受ける、ごく少ない文系科目」だった。

 

だから、正直言って真面目に聞いていない学生も多かったし、聞いていても理解できないことも多かった。

しかしそれでも、それなりに面白かったことを何となく覚えている。

 

そんな曖昧な授業の中で使われていたのが、

「人間は回顧的にしか学習できない」

という言葉だった。

 

つまり、人は失敗なしでは成長できないということだろう。

 

これはその教授の座右の銘だったらしく、「僕の授業の内容を全部忘れてもいいから、この一言だけは覚えていてほしい」と言われた。

そして僕はこの一言だけは覚えておこうと思った。

 

 

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それから数年が経ち、僕は研究室に配属になって、曲がりなりにも工学の研究をするようになった。

 

工学のポイントのひとつとして、「制御」という分野がある。

簡単に言うとシステム(機械)のオン/オフや速度などを制御(コントロール)するということだが、その制御方法にはいくつか方式がある。

 

そのうちの一つに、「フィードバック制御」がある。

これは、簡単に言うと「装置を動かした結果をもとに、動かし方を修正する」という制御。

 

その代表的な例がエアコンである。

「冷気を出す」という行為(動作)を続けた結果、部屋の温度が下がる(結果)と、エアコンは冷気を出すのをやめる(動作の修正)。

このように、結果に基いて次の動作を修正する制御を、「フィードバック制御」と呼ぶのだ。

 

そしてこの「フィードバック制御」は、機械制御において絶大な威力を発揮しており、精確な制御はフィードバック無しでは行えないとすら言える。

 


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僕が何を言おうとしているか分かるだろうか。

今話した2つの話、すなわち

 

「人間は回顧的にしか学習できない」

「精確な制御はフィードバック無しでは行えない」

 

は、まったく同じことを言っているのだ。

一度、動作を試してみないと精確な制御はできない、ということだ。

 

全く違う方向から、同じことを言われていることに数年後しで気付き、僕は感動した。

真理というものがあるとすれば、それは分野を選ばないのかもしれない。

 

 

*1:教授の名前すら覚えていない。失礼ながら