最近気づいたのだが、統計学は面白い。
統計学とは何かを平たく説明すると、
「たくさんの数値を基に、それらのパターンを調べる学問(手法)」
といったところだろうか。
「男女で寿命は違うのか?」とか、
「身長と足の早さには関係があるのか?」とか、
「お菓子の美味しさと、砂糖の量と、カロリーの高さにはどんな関係があるのか?」といった、
データとデータを比較することで意味を見出す学問だ。
これのどこが面白いのかを説明するのは非常に難しいが、僕が気に入っている点は、
「偶然かどうかかがはっきりする」
ということだ。
先ほどの例で話そう。
僕の曾祖母は60代で亡くなった。一方、曽祖父は95歳まで生きた。
この話を聞いて、「なるほど、男のほうが長生きなのか」と思うだろうか。
もちろん、そうは言えない。曾祖父が長生きしたのは偶然かもしれないからだ。
では、友人10人の曽祖父について調べてみよう。
すると、曾祖母のほうが長生きだった人が7人も居た。
この結果をもって、「なるほど、女のほうが長生きなのか」と言えるだろうか。
まだ言えない。10人なんて明らかに少ないし、そもそも「どちらが多いか」でそんなことを言い切ってはいけない。
では、どうすればいいのだろうか?
そこで用いられるのが統計学だ。
このケースの場合、具体的には、t検定という計算をする。
すると、
「○%の確率で、"一般的に女性(男性)のほうが長生きだ"と言えるよ」
という結果が得られる。
ここで、○に入る数字が95%以上*1であれば、
「一般的に女性(男性)のほうが長生きだ」
と言っていいことになっている。
つまり、僕の曾祖父の方が長生きだったのは、「偶然」だったということになる。
このような段階を踏むことで、世の中のいろいろな現象が「偶然なのかどうか」が分かる。
例えば、「お菓子を食べ過ぎると虫歯になる」は本当なのか。
例えば、「最近、女性にモテるようになった気がする」は本当なのか。
例えば、「児童ポルノを規制すれば、性犯罪は減る」は本当なのか。
これらが偶然かどうかは、統計学を用いることで明らかになる。
僕はこの、世界を解明できる感覚がとても面白いと思う。
僕は世界に規則性があってほしい。*2
そして、正しい規則性を知りたい。
感覚の問題だから共感してもらえる自信は無いが、
「世界にはパターンがある」という仮説は、夢があるし、救いがあるし、面白い。僕はそう思う。