今日のタイトルは、小沢健二『さよならなんて云えないよ』からの引用である。
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昨日の続き。
人と話す体力がなくなって、恋人と別れることになった。
「これからどうするの?」
と彼女に問われ、そういえば今後も人生が続くのだと気付く。
「しばらくは……あまり出掛けないで、一人でゆっくりしようと思う」
と答えた気がする。
大学院は通う。あと半年だから、せっかくなので卒業しようと思う。
それ以外のことはあまりする気がない。家で何もせず過ごす。
帰宅して一日経って気づいたが、僕は思っていた以上に彼女を行動原理にしていた。
今となっては、僕は遠出をする理由はなくなった。
だから、バイトでお金を稼ぐ意味も薄まった。
洋服を時間をかけて選ぶ理由もなくなった。
姿勢や箸の持ち方なんかに気を使う必要もない。
彼女の誕生日やクリスマスのプレゼントについて考える必要もない。
クリスマスのお店を予約しなくていいし、そのためのスケジュール管理も必要ない。
もっと言ってしまえば、勤務先や結婚について思い悩む必要もない。
つまり、速急に精神を治す必要もない。
僕はそれらを重荷に感じていたはずなのだが、無くなってみると、やはり寂しいような気もする。
嫌になるほど誰かを知ることはおそらくもう2度と無い。
あれほど魅力的な人は、おそらくもう僕の前には現れない。
まあ、僕の家庭環境から言って、大事なものを抱える事など最初から諦めるべきだったのかもしれない。
僕は家族のことも自分のこともあまり大事に思っていないから、真の意味で、大事なもののない日々を送らなくてはならない。
どうだろう。大事なものがないという事は、どれだけ寂しいことなのだろう。
まだ別れて数日なので心持ちがはっきりしない。
とりあえず当分の間は家で何もせず過ごす。
それがあまりにも苦痛だったら……その時どうすべきかは今のところ全く思いつかない。
だが、まあ、人生は生きるか死ぬかしかない。どちらかに収束するだろう。
どちらを選んでも、今となっては大差ない。
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